こんにちは、そんあじです。
今回は韓国旅行で時間が出来たので、念願のDMZツアーに行ってきました。
今回、韓国に住む外国人の友人に、1週間前に「ねぇ、DMZ行こうぜ」と連絡すると、「はぁ?」「急だよ」「DMZ?何で?」とか言わずに、「OK、いつ?」と2分後に返信くれる友人大好き。
持つべきものは歴史好き友人。話が早い。誘ったのですが結局日程が合わず一人でツアー参加しました。
※北朝鮮に近い場所に近づくことになるので、有事が何もなく絶対に安全!とは言い切れませんので自己責任で。(弊サイトでは一切の責任も負いかねます。)
※本記事では一部広告を含みます。
DMZとは
韓国と北朝鮮、もとは一つの国でした。第二次世界大戦後、朝鮮戦争が起こりましたが、朝鮮戦争は現在も終戦せず「休戦」の状態です。
軍事境界線はいわゆる38度線。その周囲数kmが「非武装地帯(DMZ)」となっています。
この歴史は根深く、実質は北朝鮮と戦争中であることからも韓国では兵役の義務があります。
兵役や、兵役に代わる社会服務要員については以下を↓

DMZとJSA
本当はDMZだけでなく、板門店にも行きたかったのですが…。
DMZは軍事境界線から数キロ離れたエリアのことですが、板門店(JSA)は北朝鮮兵士と韓国兵士が向き合う本当に軍事境界線上。
JSAについてはフィクションですが『JSA』という映画が面白いですよ、主演はイビョンホンとソンガンホという豪華な俳優陣の映画です。
他にも近現代史が学べる韓国映画は以下記事で紹介↓

板門店(JSA)の見学は今は休止中です。アメリカ人兵士がJSAツアー見学者とJSAに入り、北朝鮮に越境した事件以降は休止中、再開予定は未定。このように様々な事件や政治状況などによっては見学が急に中止になったりもします。
ツアーの検討ポイント
ツアーには何種類かあります。
日本などの旅行会社で予約すると、韓国の提携の旅行会社が手配するという感じっぽいです。
見たところ、どの旅行会社でもDMZの観光内容や、ソウルで集合解散ということで内容は大きく変わりはありませんでした。
検討するポイントとしては、
・旅行会社(国内旅行会社、韓国旅行会社、その他海外旅行会社)
・開催曜日
・半日か1日か(DMZ後にソウルの景福宮観光などが付属しているツアーもありました)
・オプション付き(脱北者との質問コーナーなどのオプションを売りにしているツアーもありました)
・ソウルのホテル前にピックアップ付きか、ソウルの指定場所での集合か など
楽天トラベルもDMZツアー予約できます。楽天ポイントが貯まります↓どちらも安心の日本語ガイド付
ツアー参加前に知っておくべきこと
・ツアーが安心
ソウル市内で集合、観光バスで向かいガイドさんと一緒に観光です。個人で行けなくはないですが、地理的にもツアーに任せた方が安全かと思います。
・朝が早い
集合時間が朝6時半などで早いです。どのツアーも明洞やホンデあたりで集合orピックアップが多かったです。
そのため江南や東大門などの明洞までは意外と距離がある場所に宿泊予定の方は、所要時間などチェックしておきましょう。
・パスポート必須
ホテルに忘れてこないよう注意。忘れるとおそらく参加出来ません。
・動きやすくて汚れても良い服装、靴
ツアーによってはトンネル内を歩くなどします。汚れてもよくて動きやすい服装や靴で参加しましょう。
・時間と体力に余裕を
何があるか分からないのと、ソウルまでは多少の距離があること、バスなので渋滞等で予定通りに進まないこともあります。
そのため書かれたツアー終了時間に絶対に解散する保証はないので、ツアー後の自分の予定に余裕を持ち、出国日にツアー参加することは避けてくださいだそうです。ツアー解散が遅れて飛行機に乗れなかった!ということがないようにしましょう。
また見学場所によっては閉所恐怖症、体が不自由な方、高齢者やお子様などはガイドさんに相談して待機するなど、体力や体調と相談で。
・戦時中である自覚を
ガイドの指示に従うこと。
北朝鮮に近い場所に近づくことになるので、ツアー参加中に有事が何もなく絶対に安全!とは言い切れませんので、そのあたりは自己責任で。
ツアー申込み
海外旅行会社のツアーが安かったのですが、よく読むと「日本語ガイドが催行人数によっては無くなり、ガイドは英語のみ」と書かれていたので断念。自分たちのグループだけで催行人数を満たす方はその心配は無いでしょうが、私は今回一人参加だったので…
国内旅行会社に申し込むことに決めました。
これも申し込んでもすぐOKではないので注意。催行人数によっては開催されないので申し込み後に確定連絡が来て、支払いを終えたらやっと予約確定です。今回は訪問したい日の1週間前に申込みしても大丈夫でした。
①臨津閣とイムジン河
今から私が参加したツアーの内容について紹介します。(ツアーにより内容に違いあり)
最初にバスから降りたのはここ。

中は食堂数軒とお手洗いがあり、サービスエリアっぽい雰囲気。


屋上が展望台となっており、今から行く軍事境界線付近が見えます。
奥に横向きに流れるこの川が、歌でも有名な「イムジン河」。

また昔は北朝鮮まで繋がっていた橋や、今から行くロープウェイなどが見えます。

②平和の鐘、石碑、離散家族、汽車
先ほどの展望台脇に2分ほど歩いて移動します。
平和の鐘。大晦日に北朝鮮まで聞こえるようにつくそうです。

北朝鮮にお墓があっても行けないため、北朝鮮に近いここにお墓参り用の石碑も設置されていました。
離散家族の像。朝鮮戦争とその後の分断を機に、北と南に離れ離れになってしまった家族はまだいます。

ユネスコに登録されたKBS番組「離散家族を探す」については、映画『国際市場で逢いましょう』もおすすめ↓

以前は南北を軍事物資を運ぶために走っていた汽車ですが、爆破され、ずっと軍事境界線に放置されていたのを2004年になってここに持ってきたようです。

③北朝鮮のミニ博物館?
正式名称が分からないのですが、この臨津閣の建物地下?にある小さな博物館です。
入場料は₩7000くらいだった気がします。
入ってすぐ、ベンチに皆座らされ、「北朝鮮はこんなに劣悪!酷い!」というような映像を見せられました。撮影禁止だったんですが誰が作ってるんだろう…
字幕が中国語、日本語、英語、韓国語でしたので理解できました。
映像後に、記念館で働く脱北者さんとの質問コーナーがあります。
自分が脱北したことにより北朝鮮に残る弟が思想矯正所?に送られて拷問死、そのショックで母も自殺したとの話でした。なので「統一は可能だと思いますか?」とはさすがに聞けませんでした。脱北者さんの立場からしたら、統一していれば家族は殺されなかったんですから流石に野暮な質問だと思い…。
北朝鮮のものが展示されています。お金のレプリカが2Fで買えるとか。

すぐ次のロープウェイに向かわなければならないため、映像と質問コーナーを除き、私のここの滞在は5分ほどでした。もっと見たかったです。
この後のロープウェイに行かない選択をした方たちはここでじっくり見学ができます。

その5分の間に脱北者さんに話かけました。韓国語が出来ると自力で何でも話したり聞いたりできます。やっぱり冷麺は北朝鮮の方が美味しいらしいです。「皆さんもいつか食べに行ける日が来るといいですね」とニッコリされる脱北者の方。
やはりこの方も中国国境付近に住んで中国人と商売していた方らしく、脱北も地理的条件とツテがないと厳しそう。
④ゴンドラ(ロープウェイ)
臨津閣の建物の1Fがチケット売り場。今紹介した①~④までは徒歩10分圏内の話です。

有料ですがロープウェイに乗れます。ツアーなので希望者のみ団体料金で乗れました。

イムジン河の上を通り、対岸に行けるロープウェイです。下に流れるのがイムジン河。

対岸には展望台と、「キャンプ・グリーブス」というアメリカ軍の旧駐屯基地のミニ博物館があります。
坂を頑張って上がります。グルグルしてて坂の終わりが見えないので辛かった!
下りてくる人にあと何分で展望台?と聞くくらい辛かったです。暑かったので…

渡ってきたイムジン河をのぞむ。韓国でこんなに青空って珍しいですね。おかげでよく見えました。
しかし見える景色のあちこちに地雷マーク。近いですから互いの侵入を防ぐために地雷が埋めてあります。

「その日まですべての家族が健康でありますように」という平和リボンも。

このキャンプ・グリーブスの入場券は、行きのロープウェイチケットを買う時につけるかどうか聞かれます。

かなり小さい博物館です。
朝鮮戦争中、北朝鮮に攻められてもう釜山しか残っていないという状況で、そこで戦闘したのは中学生高校生の子たち。
韓国語と英語しかなかったのですが、ある中学生兵士のお母さんに送った手紙の展示が目玉らしいです。
要約すると「怖い怖いお母さんの料理を食べに帰りたい、戦闘に行かなければならないです。さようなら。じゃなかった、僕は生きて帰りますから、さようならでなく、またねと書きます」というような内容。
結局、彼含め多くの中高校生の兵士たちは生きて帰ることが出来ませんでした。

詳しい説明は、置いてあったので頂いてきたパンフレットをご参考に。


⑤第3トンネル
さっきのエリアから出てバス移動。
非武装地帯は韓国の物ではなく国連のものです。そのためはためくのは国連の青い旗。

トンネル内に透明の水以外持ち込み禁止。撮影禁止。
北朝鮮が韓国に向かって無断で掘ったトンネルは複数あります。
トンネルがあるのが発覚したのは、北朝鮮のトンネル作業員の人が脱北し、韓国に「あの辺りでトンネル掘ってましたよ」とリークしたために判明。
もしこの人が脱北せず、トンネルが完成していたとしたら歴史も国も変わっていましたね。トンネル=陸路は短い時間で大量の人が移動することが出来ますから。
ロッカーに荷物を預け、ヘルメットを借りてトンネル内に。
入って知ったのですがトンネルは過酷すぎました。
手すりを持たないと滑りそうなくらいの傾斜の坂を15分ほど下りていきます。
平らになったと思ったら、今後は狭くて、ひんやり、地下水がしたたり、下はぬかるんでおり、女性でも中腰にならないと頭をぶつけるような低さが所々にあるような鍾乳洞のような場所を15分以上歩きます。男性たちはずっと中腰で辛そうでした。
閉所恐怖症や体力心配な方、足腰に問題ある方は絶対に絶対に無理です。第3トンネルには入らずお土産屋やロッカーがある場所で待機を!
健康な私でも、歩いても歩いても暗く狭い場所から出られない、地下水でぬかるんでいるし地下のため寒い、気を抜くと滑り落ちそうな下り坂、逆に帰りは後ろにひっくり返りそうな急勾配の上り坂が15分続き、気が狂いそうでした。

でもここが最も北朝鮮に近づく場所です。
トンネル行き止まりに小窓が付いており、奥に壁が見えます。奥の壁が3つあり、この3つの壁の先が「軍事境界線=いわゆる38度線」です。ですから3つの壁を越えて数歩進めば北朝鮮です。
こんなに近くに行くことはないですから、恐ろしいような不思議な気持ちになりました。体験しないと分からない初めての気持ちでした。
⑥都羅展望台
第3トンネルからバスで移動。たしかトンネル前か後か忘れてしまいましたが、検問所があります。
検問所ではバスも止められ、軍人が乗り込んできて全員の名簿とパスポートを確認します。
検問所には車をパンクさせるトゲトゲや、ゆっくり蛇行しないと走れないような道路にしてあったりします。
この坂を上って展望台に向かいますが、振り返って見えている山々は北朝鮮の山です。

近いです。そもそもソウルから平壌は3時間と、ソウルから釜山に行くより近いです。それに北朝鮮に最も近い場所に来ているのでさらに近いです。
ガイドさん曰く、韓国からの北朝鮮への宣伝放送に対抗した北朝鮮からの妨害音声等も当時は聞こえていたそうです。
展望台は撮影禁止。望遠鏡をガイドさんから借りてツアー客で譲り合って使いました。
金与正が爆破した場所や、ケソン工業団地と呼ばれる韓国と北朝鮮の合同で運営していたこともある工業団地(北朝鮮のケソン)も見えます。
かなり近いことを実感。
北朝鮮は自分たちとは全く異なる「異世界」「現実感がない」「テレビの中の世界」のような感覚がありましたが、すぐ目の前の山や土地や空は北朝鮮と繋がっている訳です。北朝鮮は異世界でも空想でもない現実なんだと感じました。
こんなに近いと平和を保たないと本当に危険だと身をもって感じました。
⑦統一村
民間人統制エリアの村、通称統一村のお土産やさん見学でツアーは終了。
この村には子孫しか住めず、税金優遇や兵役免除などの特権がある反面、村の中には店も無く、夜間出歩き禁止、デリバリーや宅配も外部の人が入れないので当然不可、村に防空壕があるという所です。小学校もありました。
ほぼ農業のために残っている年配の方が多いそう。ここで作ったお米も販売。

お土産屋さんでこの村で作る豆のアイスを購入。きな粉より濃い味で美味しかったです。

ツアー参加したからこそ分かったこと
①明洞ホテルがおすすめ
弘大入口駅のホテルに泊まっていましたが、ホンデから集合場所の明洞は遠くはないですが乗り換えあり。一人で早朝の地下鉄を乗り換えて明洞に向かうのは韓国に住んでいた私でも緊張しました。初心者は絶対に集合場所に近いホテルがおすすめ。明洞のホテルがおすすめ。

ただでさえ集合時間が早いのに、遠くから向かうとさらに早く出発する=寝不足になる=熱中症や体調を崩す危険が高まります。
それに解散も明洞。たくさん歩くので疲れ果てるので、すぐに帰れる明洞のホテルにすればよかったと後悔しました。
②明洞トイレを要チェック
早朝のため明洞地下街のトイレは使用不可です。清掃のおばさんに急ぎなので使って良いか聞いてみましたがダメと言われました。
集合場所であった10番出口周辺のビルや建物にも使えそうなトイレはなし。明洞10番出口方面は地下鉄駅内のトイレはないです。
仕方なく駅に戻り、逆側の出口である2,3,7,8番方面の改札内トイレまで戻りました。
ここで済ませないと早朝に集合場所付近で使えそうなトイレは無いです。店やカフェも早朝すぎて閉まっています。
③かなり歩く
ほぼツアー中は屋外や徒歩移動です。しかもどこも山の上なので坂の上り下りがかなり多いです。ベビーカーなら後ろ向きで降りなければならないくらいの坂がたくさん。
特にトンネルは修業か!というくらいの上り坂を15分以上歩き続けます。
ツアー全体を通して、健康な大人1人でも疲れました。子供抱っこしながらまわるとかは不可能に近いです。
低学年以下の子、足が不自由な方や足腰にけがや痛みがある方は、他の人たちがまわっている間に、見られそうなところを見るor建物で待機となることもかなり多そう。
④食べる時間が無い
ガイドさんから各場所に軽食の店はあると案内されていましたが、ツアー内容をしっかり見たり、オプションなども参加する場合は食堂やカフェで食事する時間がありませんでした。
食堂などで座って食べたい場合は「私そこ行かないで、ここで食べて待っています」と離脱しない限り難しいです。
食べられるのはバス移動中。DMZ付近に着いてからはバスの移動があってもすぐ下りる場合が多いです。パンやおにぎりなどサッと食べられるものを複数もっていきましょう。
歩き疲れる+熱中症予防にもラムネや飴などのさっと糖分補給できるものを持って行って良かったです。
水やポカリスエットなどのペットボトル飲料などは各場所の自販機や売店で買えました。
明洞集合場所近くのカフェも6時半前にはどこも開いておらず、コンビニは開いていてもおにぎりなどの仕入れがまだで物があまりなかった店も。前日夜に念のため買っておくのをおすすめ。
⑤ソウルから近くてバスで寝ている時間が無い
集合時間が早いのでDMZに着くまでバスで寝るつもりでしたが、ガイドさんの説明や名簿の作成等で寝る時間はなかったです。
また④で行ったようにDMZに着いてからはバス移動が短い、歩きながら食べるくらいになってしまうので、ガイドを聞きながら朝・昼ごはん?を食べるべし。
⑥一人でもOK◎
一人参加さんも複数人おりました。
参加者の年齢層もタイプも様々でした。
小学生高学年連れた家族連れや、60代後半っぽい男性や、30代の若い女性、男性友人グループ、20代後半くらいのカップルか夫婦など…
多種多様なので、どんな方でも参加しても大丈夫です。別のグループ同士交流する感じもなく、各々がツアー内容を各々しっかり楽しんでいました。
どうやら日本語ツアーには、KKdayやHIS、トリップアドバイザーなどの様々なサイトから申し込んだ人が一緒くたに同じ観光バスに乗っているようでした。
ですから行くところや内容が一緒なら、値段が違っても、どの旅行会社や代理店を通そうが、同じバスで同じガイドさんで内容全く一緒という可能性もあり得ると思います。
⑦いつ行くか?
今回7月参加で、熱中症対策は出来ることは全てやっても熱中症になりかけました。
(ポカリスエットや水分補給、濡れタオル、帽子や日傘など全て気をつけていたのですが…)
タクシーで何とか帰ってホテルで冷水シャワーとエアコンガンガン部屋での休憩で事なきを得ました。
かといって冬もやっているのか分かりませんが、韓国は日中もマイナス気温が普通。屋外がほとんどのため危ない気もします。
かといって春か秋?
春は韓国はPM2.5がひどいので、もしかしたら展望台に行っても北朝鮮側が何も見えないかもしれません。
雨が降るなら、ほぼ屋外移動なので着替えやカッパ、翌日の予備のスニーカーなど要りそう。
秋が良いのかな?
ツアー後はホテルで昼寝と休息必須。ツアー後の予定を詰めすぎない方がいいです。
韓国の歴史に興味が出たらソウルのアクセス良しの博物館はこちら↓

以上そんあじでした。



コメント